2014年09月21日
ウォームダウン(クーリングダウン)のためのストレッチ
先日参加した講習会で、ウォーミングアップやウォームダウン(クーリングダウン)がいかに重要であるかという講義がありました。
とくにウォームダウンは、運動で使った筋肉やその他の器官を安静時の状態に戻すこと、さらに重要なことは、運動による疲労を回復させることが大きな目的の一つです。
ウォームダウンの方法は、ジョギングやストレッチング、水中歩行、水泳など様々ですが、今回は講習会で教わったストレッチングを、練習後のウォームダウンメニューとして取り入れていきたいと思います。
ストレッチングとは・・・
筋や腱、あるいは関節を”引っ張って伸ばす”ことをいいます。人間の歩く、走る、投げる、飛ぶなどのすべての動作は、筋が収縮することによって可能になります。
筋は、スポーツなどによる激しい収縮によって発達しますが、過度に収縮を繰り返すと硬い状態になり、筋の特性である伸びたり縮んだりする弾性(柔軟性)を失ってしまいます。
硬く柔軟性を失った筋はケガの原因となり、また血管を圧迫・変形させ、その結果老廃物がたまりやすい、あるいは筋疲労が取れにくいといった弊害が起こります。肩こりや腰痛は、これが原因です。
硬くなった筋を伸展させ、筋に弾力性と柔軟性を取り戻すためにストレッチングが重要となるのです。
ストレッチングの効果
ストレッチングの効果で代表的なものは、ウォーミングアップ時の「傷害の予防」「関節可動域の拡大」、ウォームダウン時の「疲労回復の促進」などです。
ストレッチングによって筋に柔軟性を与えることは、血液の循環を促進し整脈還流を補助することによって、疲労物質(無機リン酸・水素・アンモニア・乳酸など)を体外に運び去り、酸素や栄養物質を筋組織の中に送り込んでいくのです。
ストレッチングの原則
一般にストレッチングは、スポーツの各場面をはじめ、様々なケースに適した方法で行われますが、いずれの場合も、ストレッチ部位を明確にすることが大切です。
ストレッチングを行う前には筋温を上げ、筋がストレッチしやすい状態にする必要があり、特に冬場などの寒いときには、事前に筋温を高めておくことが重要です。手足をぐるぐる回したり、ぶらぶらさせる、軽いジョギングを行ったりする・・・などの方法が有効で、額に軽く汗をかく状態にします。
ストレッチングの時間はあまり短いと効果がなく、ある部位を伸ばす時の1つの動作時間は、ウォーミングアップで15秒、ウォームダウンで20秒ぐらいを目安にします。目安の時間よりも、気持ちよくストレッチができている!と、体で感じることが大切です。
ストレッチング中、呼吸は決して止めてはいけません。筋を伸ばすときは必ず「ゆっくり吐きながら」行い、あとは自然に呼吸します。
ウォームダウンのストレッチ
ストレッチングの効果を計るために、ストレッチングの前に前屈で手の位置を確かめてみて下さい。

1.首のストレッチング

足を肩幅に開き、右手を頭部左側にあてて立つ。

右手を右方向にゆっくりと引っ張りながら頭を倒す。

逆方向。手を持ちかえる。

ゆっくり引っ張りながら、頭を倒す。

両手を前方から後頭部へそえる。


両手でジワーと引っ張るように、頭をゆっくりと前に倒す。

※首の関節の構造上、首を後方へ倒すことは無理があり、とくに急激に倒すと首を通る神経を圧迫し、首を傷める原因となるので注意して下さい。
2.腕・肩のストレッチング

右手を背中の肩甲骨にふれる位置にあてて、右ひじに左手をかける。

このとき、前に倒れた頭をおこし上体をまっすぐにする。


左手で左下方向にゆっくりと引っ張る。

手を持ちかえる。右手で右下方向にゆっくりと引っ張る。

足を肩幅に開いて立ち、右腕を肩の高さまで前方にあげる。

右腕を同じ高さのまま左方向に動かし、体の前で保持。

左手で右ひじを押さえながら、腕を左方向にゆっくりと引っ張る。腕を持ちかえ、同様に行う。

足を肩幅に開いて立ち、体の後ろで右手首を左手で握る。

左手で、ゆっくり左方向に引っ張る。

逆方向。体の後ろで左手首を右手で握る。

右手で、ゆっくり右方向に引っ張る。

足を肩幅に開いて立ち、肩と腕を後ろからゆっくりと前へ回す。

逆方向へ回す。
3.腰のストレッチング

床に両足を伸ばして座り、右足のひざを立てて左足にかける。

左うでを右ひざの外側にあて、上体を右にひねる。

逆方向。左足のひざを立てて、右足にかける。

右うでを左ひざの外側にあて、上体を左にひねる。

上記のストレッチで床に座ることができないときは、かべや支柱を利用する。足を肩幅に開いて壁から10センチのところで立つ。

上体を右方向にひねって両手をかべにあてる。

逆方向。上体を左方向にひねる。
4.大腿前面のストレッチング

両足を前に出して座った姿勢から、右ひざを曲げてスネから足の甲を床につける。

両手を後方にもっていきながら、状態をゆっくり後ろに倒す。

余裕があれば、背中を床につける。足をいれかえて、左ひざを曲げて同様に行う。

右足を左足の前へクロスして出し、このまま前屈する。足をいれかえて、同様に行う。

左足を左斜め前方にだし、その状態で前屈、小さい反動で上げ下げする。足をいれかえて、同様に行う。
5.手首、足首のストレッチング

床に四つんばいになり、手を外回りで手前に向ける。

お尻を後方にスライドさせる。

床に正座し、上体をまっすぐに保つ。

両手を後方にもっていき、手を外回りで前方へ向ける。

体を少し後ろに倒し、両ひざを上げる。
ふたたび前屈して、ストレッチングの効果を確かめてみましょう。

